Q:子宮内膜症のチョコレートのう胞の手術後にピルの内服を勧められました。どうしてでしょうか?
[2010.07.03]
子宮内膜症は子宮の中にある子宮内膜とよく似た組織が本来子宮内膜があるべき場所とは違う場所に出来てしまった病気と考えられます。卵巣にできると内部に古い血液がたまる卵巣のう胞(チョコレートのう胞)ができます。
子宮内膜症性卵巣のう胞は薬物療法のみで完治することはできません。治療には手術療法を考えることになります。報告によって細かい数字に違いはありますが、術後におよそ3年で3割くらいの患者様で再発することが知られています。再発は手術を行った卵巣のみでなく、反対側の卵巣でもおこることがあります。
ピルを用いて、既に出来てしまった子宮内膜症性卵巣のう胞を治療することはできません。しかし、ピルには術後の再発を予防する効果があることが報告されています。患者様が妊娠を希望していない場合には、術後にピルの内服をお勧めします。もし、妊娠を希望している場合には早めに妊娠されるようにお話しします。