Q:妊娠と診断されましたが流産や子宮外妊娠かどうかはっきりしないと言われました。とても心配です。
妊娠すると、胎盤から HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)という物質が作られます。これが母体の血液中に入り、尿から排出されます。妊娠検査薬はこの HCG を検出するもので、hCG があれば妊娠していると判断します。HCG は妊娠経過とともに産生量が増え、血液や尿中の濃度も上昇します。
妊娠初期の段階で、正常妊娠と正常ではない妊娠(流産や子宮外妊娠など)を1回で診断できる方法はありません。時間をおいて経過をみながら診察するしかありません。
HCG が上昇しているにも関わらず超音波検査で子宮内に胎のう(赤ちゃんのいる袋)が見えない場合には子宮外妊娠を疑います。
HCG がある程度まで上昇するが途中から上昇しなくなる場合には流産か子宮外妊娠の流産を考えます。超音波検査で胎のうが見えれば、子宮外妊娠ではないと考えます。胎のうが見えても、赤ちゃんの心拍が見えない場合や胎のうが発育しない場合には流産を考えます。
患者様にとってみればとても心配なことだと思いますし、はやく診断をして欲しいと思われることでしょう。場合によっては、はっきり診断しない婦人科医に対して不信感を抱くかもしれません。しかし、妊娠の初期に関する診断には時間が必要になりますので、患者様やそのご家族にはご理解していただくことをお願いしています。
流産や子宮外妊娠では出血や腹痛がおこります。月経の一番多い日のような出血や強い腹痛がある場合には早めに産婦人科に受診してください。